牧師日記 8月10日

宇田慧吾牧師

 ふと友人にメールをしようと思い、近況や最近考えていること等について長々と書いて送りました。教会で行ってきた地域の子どもたちのための活動をNPO法人化したこと、設立業務や交付金申請の書類作成に追われる日々であること、そういった忙しさの中でも地域や行政の方たちと共に地域の課題に取り組める喜び、教会とNPO法人という二重の立場で自分はどのように神の召命に応えていけるのか考えること等々。

 彼は東京都庁で働き始めて6年程、もともと勉強熱心な方で、私が自分の課題を話すと、いつも最近学んだことの中からおすそ分けをくれます。今回のお返事の中には、マネジメントの話があり、興味深いと感じたので少し引用します。

 「職場の行き帰りには相変わらず多読乱読を続けていますが、最近、ピーター・ドラッカーの『マネジメント』を読了しました。ドラッカーのメッセージと教訓は明快です。①組織の生み出すべき成果は組織の外部にあることに気づくこと、②組織が成果をあげるためには顧客への貢献(顧客のニーズ)に焦点を合わせ、新たな顧客を創造すること、③組織が成果を最大化するためには組織そのものが備える「強み」と組織に関わる人の「強み」を活かすこと(「弱味」の修正や改善に力を注ぐよりも)の3つです。この教訓がより興味深いのは、これらが、営利組織だけではなく、非営利組織(学校、NPO、教会、保護者会などあらゆる集団を含む)の活動と成果にも当てはまると言い切っていることです。教会でもNPOでも株式会社でも、マネジメントの要諦は同じなのだと。」

①組織の生み出すべき成果は組織の外部にあることに気づくこと。

②組織が成果をあげるためには顧客への貢献(顧客のニーズ)に焦点を合わせ、新たな顧客を創造すること。

③組織が成果を最大化するためには組織そのものが備える「強み」と組織に関わる人の「強み」を活かすこと(「弱味」の修正や改善に力を注ぐよりも)。

 いま自分がいる教会に照らして、あれこれと思いめぐらしました。

 「他のための教会」、「福音の本質は不変だが、その伝達の様式は時代に合わせて変化する」といった神学者たちの言葉が頭に浮かびます。教会そのものの「強み」と教会に関わる人の「強み」、いくつも頭に浮かびますが、弱気になっている時は「弱み」ばかりに目がいきがちであることを反省します。