《説教要旨》「同じ思いを」フィリピの信徒への手紙4章1-7節

片岡広明牧師

 わたしはエボディアに勧め、またシンティケに勧めます。主において同じ思いを抱きなさい。なお、真実の協力者よ、あなたにもお願いします。この二人の婦人を支えてあげてください。(フィリピ4章2節-3節)

 今日の平和聖日にあたって、フィリピの信徒の手紙を読みました。ここに出てくるエボディアとシンティケという二人の女性は教会の中でそれぞれに力ある働きをしていた人のようですが、二人は仲たがいしていたようです。「主において同じ思いを抱きなさい」とパウロは勧めました。心に思い描くことは人それぞれにあり、心を合わせることは時に難しいものですが、「主において」、すなわち主イエスが人と人とを結び合わせて下さるのです。イエスのみ心は、「互いに愛し合いなさい」と語られたイエスのみ言葉によって言い表されています。すべての人が共に主の救いにあずかり、心をひとつにして共に生きる者となることなのです。イエスは十字架の犠牲によってその愛を自ら表して下さったのです。それこそが世界にまことの平和をもたらす主のみ心なのです。

 昨日、京都戦争体験を語り継ぐ会の集いに行ってきました。今年は「三世代で語り合う」と題して二十代、四十代、八十代の三名の世代の異なる方々がそれぞれの立場で平和のための活動をなさっておられるお話を伺いました。若い方たちが戦争体験者の平和への思いをしっかりと受け継いでおられることを伺い、心強く思いました。沖縄戦遺骨収集活動の中で集められた遺品の展示がなされました。戦後七十四年、今も遺骨収集が終わっていないという事実が、戦争の残酷さ、空しさを物語っています。

 八月第一日曜日は平和聖日です。平和のために祈り、平和について考え、真の平和の実現のためにみんなで力を尽くしていくために、心をひとつにし、思いをひとつにして今日の礼拝を守りたいと思います。

2019年8月4日亀岡会堂