《説教要旨》「キリストに結ばれて生きる」 ローマの信徒への手紙6章1-14節

宇田慧吾牧師

 先日、地域の青年と話す中で、親子関係から受けた心の傷に縛られていたことをようやく自覚できたという話がありました。彼は聖書に出会い、一人一人が尊い存在であるという神の愛を知ることで、そのような自分の気持ちに気づくことができたそうです。またその翌日、別の地域の青年との話の中で、親しい人との死別によって心にできた穴や寂しさは、自然の摂理として受け入れるだけでは癒されないと思うという話がありました。彼は聖書が語る永遠の命や復活を信じることで神が真実に癒してくれると話していました。

 確かに「心の傷」や「死別の空虚」は自覚や人間の力だけでは治癒できない場合もあるように思います。私も自分の心の中を見つめると、心を縛っている恐れや罪があることに気づきますが、自分の力だけではなかなか克服できないことがあります。

 そのような「心を縛る力」から自由になるにはどうしたらよいのでしょうか。パウロは「キリストと結ばれる」ことを勧めています。特にキリストの十字架と復活を共にすることを勧めています。パウロにとってそれは、罪に縛られた「古い自分」が死に「新しい命」に生き始めることでした。おそらくパウロにはキリストに出会って変えられた、新しくされた実感があったのでしょう。

 キリストに結ばれて一緒に生きようとパウロは私たちを誘っています。キリストと一緒に生きていきたいと私は思います。私の心を縛っている罪から自由にしてください、新しい命に生きさせてくださいと心から願います。

2020年3月24日 須知会堂

〈説教要旨〉「冬の実り」ルカによる福音書20章9-19節

宇田牧師

4月9日 須知会堂

 こうして娘はすくすく成長しています。体重も5kgになって抱っこも重くなってきました。元気に大きくなってくれてありがたいことです。この2カ月は嬉しい出来事が多くありました。無事にHさんが洗礼式を迎えたり、こどもの居場所つくり活動をNPO法人化するための設立総会を無事に終えたり。一方で、少し忙しすぎたようでもあり、心はちょっと疲れ気味のようです。嬉しい出来事も何だか心の上を通り過ぎて行くような、ありがたいことをありがたいと心から感謝できないような、そんな気持ちで過ごしてきた2か月間でもありました。原因は明らかで、少し忙しすぎたのです(^^;

 でも、良かったと思うのは、そんな中でも一度も落ち込んだり心が折れたりすることはなかったことです。むしろ、そういう心の疲れの中で、信仰の支えを度々感じました。生きることの大変さを背負いながら、希望をもって生きる姿を示してくれた信仰の先輩たちが頭の中に何人か浮かびました。自分もこういうしんどさの中で信仰を持って生きることを重ねていくことで、後の人たちの支えになれるのかな、とも思いました。

 心から感謝できない、いただいている恵みを実感できない、そういう心の状態の時が誰にでもあると思います。そんな時こそ「冬の実り」を収穫しましょう。手放しで嬉しい絶好調の時には気づくことができない、冬にしか気づくことのできない支えや励ましがあります。この2か月は心の淋しい冬でもありましたが、支えと励ましも多くいただき、だんだんと春が近づいてきたようです。

説教要旨「聖霊と火」ルカによる福音書3章15-22節

1月8日説教要旨【須知会堂・宇田牧師】
「聖霊と火」ルカによる福音書3章15-22節

 Iさんのところは年末年始はいかがでしたか(^^) ・・・ご家族が集まられて忙しく、お疲れになった。それはお疲れさまでした。その気持ちぼくもよ~く分かります。ぼくも大晦日は教会の青年9名とスイス人の牧師で年越しして、元旦も同じメンバーでお節を食べたりしました。みんなで過ごす時間は楽しいですけど、お料理とかあれこれの準備とか、いつもと違う生活のリズムになって、やっぱり疲れ果てますよね(^_^;) また、身体や心が疲れている時は、人との関わりも感情の起伏を抑えるので精一杯だったりします。

 そんな中でも、よかったな~と思うこともあって、この前の日曜日なんかはいろんな方が気遣って助けてくれました。自分が弱っている時に支えてくれる人がいる、本当にありがたいことです。感情的には「ごめんもう無理」でしたけど、自分の心をのぞいてみると「感謝しなきゃな」という気持ちも、ちゃんと隅っこに座っている。心が弱っている時にも、そういう気持ちを持ち続けられるのは、神さまのおかげかなと思います。

 この一年も神さまとの心の繋がりを大切にすごしたいです。「聖霊と火」をキリストから受け取りましょう。聖霊は神さまとの心の絆です。わたしたちの心と神さまの心を結びつける力です。そして火はわたしたちを成長させてくれる力です。わたしたちの心には自分の力では克服することの難しい思い上がりやわがまま、かたくなさ、幼さもあります。そんなところも神さまがちゃんと整えて、成長させてくれます 。

年末年始の一コマ。紅白を見ながら…