「召命」6 宇田慧吾牧師

 園部会堂の近くには小学校、中学校、高校があり、教会の前をたくさんのこども達が登下校で通ります。小学生の下校の際にはヌーの群れの大移動のごとく、教会の前の通りがこども達でいっぱいになります。そんな地域のこども達が教会に訪れるきっかけとなった出来事が二つありました。


 一つは、こどもの頃に家庭の事情で寂しい思いをしていたという方のお話をうかがったことでした。その方もこどもの時は教会の前を登下校しており、なんとなく教会に行ってみたい気持ちを持っていたそうです。でもきっかけもなく、ようやく教会に来れたのは大人になってからだったそうです。そんなお話をうかがい「いま教会の前を歩いている子たちの中にも、ひょっとしたらそんな子がいるかもしれない」と思いました。そこで、教会の前に「誰でも遊んでいいよ」と書いたカフェボードを立てました。


 もう一つは教会に卓球台を置いたことでした。教会員の息子さんが卓球を始め、教会で練習できたらありがたいとの相談がありました。日曜以外は誰も使っていない部屋ですので、喜んで承諾しました。すると、中学校の卓球部の子たちが部活の後に来るようになりました。ある日、私はその子たちに唐揚げを作りました。すると翌日はバスケ部の子たちも来ました。私はまた唐揚げを作りました。さらに翌日には野球部の子たちも来ました。気づくと中学生男子20名程に唐揚げをふるまう事態となっていました。そして、その友達や弟、妹も遊びに来るようになり、あっという間に月のべ200名程が教会に遊びに来るようになりました。(続く)

宇田慧吾牧師
(2024年5月12日)