「召命」4 宇田慧吾牧師

 半年ほど前から保育士として働き始めました。慣れない仕事ですが、周囲の先生方に支えられながら何とか楽しくやっています。思い返すと、こうして保育士として働くようになったのも、神さまの不思議な導きによります。


 事の始まりは、将来は自給伝道をしたいという気持ちを与えられたことにあるのかもしれません。まず、神学生としていくつかの教会に通う中で教会が経済的な課題で嘆いている様子を見てきました。牧師に家族がいる場合、教会の経済的課題は牧師の家族に影響していくことも知りました。その一方で、献金を一切受け取らないことでその働きの純粋さを示している宗教者がいることも知りました。たぶんそういった出会いの中で、自分は牧師としての奉仕は無償で行い、生活と家族を守るための収入源は別の職業で持ちたいという気持ちを持つようになったように思います。


 牧師の試験を受けた時はパン屋で働いていました。無事に試験に合格し、引き続きパン屋で働きながら教会を創ろうと友人と準備をしていました。ところが、当時お世話になっていた牧師からある教会に赴任してほしいという話を受けました。その教会に赴任する予定だった人が行けなくなったので代わりに行ってほしいとのことでした。学生時代どうしようもない青年だった私を支え続けてくれた牧師からの話であったので断ることはできず、3年だけ我慢して、それが終わったら今度こそパン屋で働きながら教会を創ろうと決めました。そして、赴任した教会には保育園と児童館があり、そこに勤務することとなったのが私の児童福祉との出会いでした。(続く)

宇田慧吾牧師
(2024年4月7日)