最近のことなど 宇田慧吾牧師

 先日、教会員のご家族が逝去され、葬儀の司式をしました。御年88歳、既に余命宣告も受けていましたので、ご親族も心の準備をしたうえでの葬儀であったと思います。

 納棺式の時、ご親族が故人の好きだったものを棺に入れました。愛用のジャンバー、帽子、草刈りに使っていた鎌、コロッケ、パン、ポテトチップス、煙草、天童よしみのポスター。最後に飲み物もあった方がいいねと缶コーヒーを買って入れました。

 ご遺族は故人について「とにかくまじめに、一生懸命生きてきた」と話します。お仕事は一つの製材所に40年以上勤められました。私生活においては、親戚の子どもたちをかわいがり、兄弟が相続した家の農地の草刈りを黙々と続けました。お年を召され、草刈りに通えなくなると、近所の人が気づくほどに、いつもきれいにしておられたそうです。

 納棺の時、特に親しくすごしたご親戚が「エイちゃん、エイちゃん、ありがとう」と、たくさんのものを棺に入れる様子を見ながら、故人は幸せな方だなと思いました。

 牧師として葬儀に立ち合わせていただく度に、人生の時間には限りがあるということを意識させられます。あたり前のことではありますが、限られた人生の時間を丁寧に大切に生きようと思わされます。

「生涯の日を正しく数えるように教えてください。
 知恵ある心を得ることができますように。」詩編90:12

2021年2月21日