説教要旨 「御心にふれる」ルカによる福音書5章12-26節

2月23日説教要旨【片岡広明牧師】
「御心にふれる」ルカによる福音書5章12-26節

 今日の聖書箇所にはふたつの出来事が伝えられていますが、共通しているのは、イエスによる病の癒しということです。人間が病に苦しむことは、聖書の時代の人も現代人も変わりません。時代が変わり、医学が進歩して、かつては不治の病であったものが克服されていくということもありますが、AIDSのように昔はなかった病気が新たに出現することもあります。病との闘いはいつの時代も人間にとって大きな課題です。

 イエスに出会い、イエスに癒しを求めた「重い皮膚病」の人は、イエスを見てひれ伏し、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります。」と言いました。「御心ならば」とは、あなたがわたしのことを御心に留め、わたしの病が癒されることをあなたが心に望んでくださるならば、あなたの望みどおりに現実のものとなります、そのことをわたしは心から信じ、あなたに寄り頼みます、とイエスに心からの信頼を寄せる気持ちから出た言葉でしょう。イエスはその信頼に応えて、「よろしい」と言われ、この人を癒されたのでした。「中風」の人には、この人を床に載せて運び、屋根にまで上がってイエスにこの人の癒しを願い出た、寄り添う人々がいました。その熱い心のうちにイエスは彼らの信仰をご覧になり、この人を癒やされたのでした。

 人はいつかは死を迎えます。この癒された人々も、のちには皆、死にました。しかしこれらの人々は、イエスと出会い、イエスによって救われたことを生涯忘れることはなかったでしょう。そしてイエスの御心に留まり続けて、望みを持ち続け、生涯を全うしたことと思います。主の御心にふれて生きること、そのことをわたしたちも心に深く留め、病やどんな苦しみにも負けず、主の御心に生きるものでありたいと思います。