説教要旨「実を結ぶ人」ルカによる福音書8章4-15節

2月17日説教要旨 【胡麻会堂・宇田牧師】
「実を結ぶ人」 ルカによる福音書8章4-15節

 3万2千年前の種が発掘された話はご存知ですか?永久凍土から見つかって、ちゃんと花が咲いたそうです。種に秘められた生命力には驚かされます。わたしたちの心に蒔かれた種も、種自身の生命力でちゃんと実を結んでいきます。「実を結ぶ人になろう!」とか「心の畑を整えよう!」というよりは、神さまの蒔いてくれた種の生命力に信頼して、安心して待つ心を持ちたいと思います。

 昨日、昨年度に洗礼を受けたO君から嬉しい連絡がありました。しばらく東京で生活するので、東京の教会に転会したいとのこと。彼は大学生の時に自分で聖書を買って読み始め、大好きなおじいちゃんが亡くなった時に、礼拝に通い始めました。礼拝でなんとなく心が慰められる気持ちがして教会に通い続けました。洗礼を受けてすぐ引っ越しになりましたが、東京でちゃんと通う教会を見つけられたようでなによりです。彼のように、この教会に訪れた人の心に神さまの種が蒔かれて、芽を出していくと嬉しいですね。

 自分の信仰の歩みを振り返ると、種が成長するまでにはずいぶん時間がかかったなと思います。心が「道端」のようで芽が出ない時、心が「石地」のようで根を張れない時、心が「茨」に覆われて成長できない時、いろんな時期がありました。でも、神さまが耕してくれて、種自身の生命力でちゃんと実りを結んでくれました。今も「ちゃんと実りを結ぶだろうか?」と不安を感じることも時々ありますが、耕してくれる神さまと種自身の生命力を信じます。わたしたちは「実を結ぶ人」です。人生の実りをどうぞお楽しみに。